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横浜市中区の「黄金町(こがねちょう)」の売春宿約250軒のほとんどが、神奈川県警の徹底的な取り締まりで閉店に追い込まれた。取り締まりと摘発逃れの“いたちごっこ”を半世紀にわたって見てきた地元では、「本当に一掃されたのか」という驚きの声が上がっている。「(売春街にいた女性が)県内外に分散しただけでは」との分析もあることから、県警は復活の動きを厳しく見張ることにしている。 約500メートルにわたり、250もの売春宿が軒を連ねる黄金町は、伊勢佐木町など横浜の中心歓楽街のはずれにあり、ネオンきらめく“不夜城”だった。 神奈川県警が集中取り締まりに乗り出したのは今年1月。売春が暴力団の資金源となり、人身売買の温床にもなっているためで、警視庁公安部長から昨夏着任した伊藤茂男本部長が「横浜開港150周年の2009年までに一掃する」と大号令をかけた。 毎日約40人の警察官を巡回に投入。外国人女性を旅券不携帯などで、宿の経営者を売春防止法で摘発するなどして、軒並み閉店に追い込んだ。今では、通りには警察官の姿が目につくだけになっている。 ◆飲食店売り上げ減 「多い時は1日100杯出たのが、今は半分」。そうぼやくのは、昨年まで売春宿帰りの客らでにぎわったラーメン店の女性(65)。居酒屋の男性店主(65)も「売り上げが半減した」と言いつつ、「摘発は歓迎すべきこと。健全な街としてにぎわいを取り戻すまでは我慢するしかない」とも話す。 地元の町内会長・谷口安利さん(64)は「通学路にできなかった街が改善された」と評価する一方で、「街の再生が追いつかない。店の土地を行政が買い取るなどして再生につなげてくれれば助かるのだが」と語る。 ◆500人の女性、他県へ? 売春街にいた推定約500人の女性のほとんどは外国人という。県警幹部は「長野や北関東、関西などに散らばったという情報がある。無店舗型の風俗に商売替えしたという話も聞く」とし、「人身売買のブローカー組織の壊滅など、さらに根本的な対策が必要だ」と指摘している。 写真=神奈川県警の徹底摘発で閉鎖状態にある黄金町の売春街
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